ティーダは宙を泳いでいた。 そこは重力の法則さえも無視した、不思議な空間。 何も聞こえない。ただ見えるだけだ。 ティーダは混乱して、辺りを見回す。 すると向こうの方にいてはいけないはずの人物が立っている。−ジェクト。 「オヤジ・・・」 ティーダは呟いき、ジェクトのいる方へと行こうとした。 しかし体が思うように動かない。それどころかジェクトが離れていくような気がした。 「オヤジっ!」 思わず叫ぶ。しかし体は動かない。 そうこうしているうちに意識が遠くなりはじめた。 「・・・オ・・ヤ・・ジ・・・」 薄くなる意識の中でも必死に叫ぶ。しかしジェクトは離れていく一方だ。 やがてティーダは完全に気を失った。 「いててて・・・」 急に全身を襲った痛みと石の冷たい感触でティーダは目を覚ました。 「どこだよ・・・ここ・・」 辺りは海に囲まれている。何かの遺跡のようだ。 周りには誰もいない。 「おーい!」 分かっていながらも叫ぶ。木霊すら響かない。 寒い・・・海に囲まれているからであろうか。 それとも日が射していないからであろうか。 どちらにしろ、凍死してしまうのは時間の問題だ。 辺りを見回すと遠くの方に巨大な石造りの建物が見える。 ティーダはわずかな可能性に賭け、そこを目指して泳いでいった。 ティーダは入り口らしき階段にたどり着いていた。 建物の外観には不気味な姿をした彫刻や不思議な文字がたくさんある。 「ホントに・・・なんなんだよ・・・ここ・・」 ティーダはわけが分からなかった。 とにかく中へ入ろうとした。 階段を上る。 そして2、3歩歩いたそのときだった。 突然足元が抜け、ティーダは暗く冷たい海水で満たされた部屋の中へと叩き込まれた。 「がぼびが!?」 慌てて水面へ上昇するティーダ。 しかし何かが再び足をつかみ、ティーダを水中へと引きずり込んだ。 「!?」 急いで自分の足をつかんでいた何かを振りほどき、様子を見る。 するとそこにいたのはひれが手のように発達した3匹の魚型の魔物―サハギンだった。 サハギンは血走った目でティーダをにらみつけると攻撃態勢にはいり、ティーダめがけて 突撃してきた。しかしティーダにとってはブリッツよりもたやすいことで、何の苦もなく 3匹のサハギンを倒したのだった。 しかしほっとしたのもつかの間だった。 地響きと共に底の方で岩が崩れる音がしたかと思うと、次の瞬間、ティーダよりも2倍は 大きい深海魚―ジオスゲイノが現れたのだ。 ティーダは試しに斬りかかってみるが、頑丈なうろこに覆われた巨大魚には傷すらつける ことが出来ない。 「がばびっぶ!」 ティーダは急いで岸に向かって泳ぐ。ジオスゲイノはすぐそこまで迫っている! ヤバイ・・・飲み込まれる・・・ ティーダは必死になった。 |
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